●実践練習
 いつも言っていることですが、練習場でポンポンなにも考えないで打っていても実戦ではあまり役に立ちません。いざとなったとき役に立つショットを身につけることです。それにはまずショートゲームの練習です。好きなウェッジ(P、P/S、S)を使います。基準は50ヤードくらいの離れたターゲット2箇所です。

(1)まずウェッジで最初の50に向かって打つ(距離は合わなくても方向性だけは真剣にあわせる)、次はも
う一つの別なターゲットに向かって同じように打つ、交互にそれの繰り返しです。けっして惰性で打ってはいけない。一回ごとにイメージを顕在化して打つこと、じっとボールを落としたいところを凝視してから打つ。目的は集中力に裏付けられた50ヤードショットです。打ったら一球ごと最後まで見とどけてください。4〜50球打つとだんだんボールが集まってくるはず、そのときのトップの左腕の位置(地面との角度など)を確認してください。(私の場合は56°のSで左腕は地面と平行、クラブは直角です)
この位置から自然に打った距離が貴方のアプローチショットの基準になってきます。どんな練習よりも最優先する課題だと考えてください。

(2)この練習は惰性でやっても役に立ちません。あくまでも一球ごとにターゲット、飛球イメージを確認しながらやらないと身につきません。さて次のステップです。今度はいつものように50を打ったら、別のターゲットに向かって、60を打ちます。少しバックスウィングが大きくなるはずです。(ヘッドスピードで調整しないこと)次はまた50に戻ります。この繰り返しで50と60のスウィングの大きさによる距離感を自分のものにします。同じスウィングでクラブを変えて距離をコントロールする応用も可能になります。(Sで50ヤードだったら同じスウィングならPで60くらいです。)感性で打つのも大事ですが、ベースになる距離感を持っていることはポジティブにゴルフができます。

※「集中力」とはどういうことでしょうか・・・。「一点に意識が向かっていて、他の事は一切気にならないこと」という解釈をする人がいますが間違いです。それは傾注と言い、あばたもえくぼ、物事に盲目的にとらわれてしまって全体が見えていないことをさします。本来の集中力は、全体の中にある物事、現象が良く見えることです。ゴルフで言う集中力は如何にボールを、ではありません。ターゲットであり、自分のスウィング反応であり、風であったり、グリーンコンディションであったり・・・さまざまな要素を全部飲み込んでから、狙うべきターゲットに対してどのような反応を起こすか、冷静な計算力なのです。