●スコアメイク
 スコアメイクとは言っても数字(スコア)を意識的に出せるものではないのです。あくまでも結果論であって、機械的に計算できるものではなく、神のみぞ知る領域かもしれません。だからと言って、打った分だけ加算するだけでは能が無い、良いスコアはどう考えて打ったかに起因します。
 競技においては予選カットラインがあり、競技を目指す人の第一関門です。もし予選カットが〔76〕と決まっていたらスクラッチプレーヤーでも簡単なことではありません。プレッシャーの中で確実にそのスコアを出せるのは一握りの人だけです。実情を知る人はすくないかも知れませんが、トップアマ(スクラッチプレヤー)の競技でも予選落ちする人は90近く、或いはそれ以上叩く人が大勢います。その人たちだってスタート前はそんなスコアになるとは思っていません。球を打つことに関してはどうにでもなるトップアマでさえ、腕力勝負をすると散々な目にあうのが現実です。それはトーナメントプロの世界でも同じ、80以上を打つプロが何人もいるのです。また、すこし競技に慣れてくるとコースコンディションや天候、或いは参加の顔ぶれや通過人数等によっておおよそのカットラインを想定してしまいます。(これがいけないのですけどね・・・)少し叩くと途中で諦めてしまう場合が多くなる。いったん諦め癖が付くと、その日をギブアップしてしまい「次回、頑張ろう・・・」になってしまいます。これではいけない、最終ホールまで残りのホールをきちんと回る、がとても大事なことなのです。
 ゴルフは数値が支配するスポーツですが、スコアはあくまでもその人の意思に基づいて行ったショットの結果なのです。スコアを意識しないで良いスコアを出す・・・禅問答ではないのですが現実はそうなのです。目の前の1打が意思を持つこと、これがスコアメイクの源泉です。出たとこ勝負のゴルフから、心の支配下にあるショットをつなぎカップインする、これがスコアメイクの第一歩です。
 それは解っているけど思うようにショットが打てない、と言う人がいます。打ってみないことには球がどこに飛んでいくか解らない・・・、もっともなことです。ではあまり競技には出ないかもしれませんが、仮にハンディキャップ18の人のゴルフを考えて見ます。すべてのホールにハンデがありますのでこの人にとってのパーは各ホール+1で90と言うことになりますね。パー4であれば3オン2パットが規定打数です。そのことを意識しているかどうかがスコアメイクの分かれ目です。一般のハンデ18の考え方はトップアマやプロと同じ思考で考えてしまう。つまり2オン2パット思考が自然に身に付いた攻略法なのです。でもこの攻め方はスコアメイク(頭を使っている)を考えているとは思えません。ハンディキャップを結果的に使ってしまうことになります。最初からハンデを生かして3オンを意識していればまったく違う攻略ルートがあるはず、400ヤードを超える長めのホールだって3オンの考え方を持っていれば、2打でガードバンカーに入れてあせることも無いでしょう。アプローチ、パター次第では4打で上がる可能性もあります。結果的にハンデを使ってしまうか、予定通り使うかは大きな違いですよね。スコアメイクに妙薬はありませんが、打数に追いかけられるか、計算して使うかの違いでしかないのです。技術頼みの漠然とした1打ではなく、意思を持ってクラブ選択をしてショットする、この地道な意識改革、もっと解りやすく言えば頭を使う、これがスコアメイクなのです。
 私のゴルフ仲間ですが、ドライバーの飛距離せいぜい230Y、アイアンはピンを狙えるほどの精度なし、アプローチ、パターそこそこ・・・身長165体重55、小柄です。しかし自分のことを良く解っています。一切ゴルフでは無理をしません。上がってみるといつも好スコア、頭を使ってクラブチャンピオンになった男です。

●スコアをまとめていくための実戦的な例をあげて見ます。
(1)7〜8歩の距離のパッティングは3パットしない(逆にがっついて1パットも考えない)
 この距離を3パットすると精神的に参ってしまう。3パットは距離感と方向の両方を同時に考えていると起こりがちである。方向はパターフェースを合わせたらそれを信じきる、方向が決まったら後はカップまでの距離合わせに全神経を集中することです。(カップしか見えない「傾注」ではありませんよ)
 私の距離あわせの方法はボールの転がるスピード(イメージ)と同じ速さでパターをストロークします。(ヒットする強弱での距離あわせはとても難しい) あまり遅いグリーンではショートしがちですが、競技レベルのグリーンはそこそこのスピードもありますし、オーバーよりもショートしたパットのほうが次打はなぜか入りやすいのです。ゲーム前の練習グリーンではなるべく難しいラインを2パットで入れる練習をすること、精神的に落ち着きます。それから5〜60センチを真剣に練習して今日のグリーンに自信を持って望みます。

(2)クラブ(番手)ごとの自分の飛距離を知っておくこと
 多くの人が自分の飛距離に対して曖昧ですね。ゴルフは数値のゲームと言いました、その元になる各クラブの平均飛距離を知っておくことはスコアメイクでは絶対条件なのです。フルショットでの最大飛距離ではなく、普通に打ったときの飛距離を測って再認識しておくべきです。

(3)再三アプローチ、パターの重要性
 スコアメイクで最も重要なことは、再三言いますがアプローチ、パターです。とにかく練習してください。短いものはターゲットもはっきりしていますので、感性よりも技術です。技術は練習量に比例して向上します。やればやっただけうまくなるのがショートゲーム、リフティングだってりっぱな練習、フェース面を視覚で捉えられます。とにかくウェッジ、パターでたくさん遊ぶことですね。